活動レポート 議会活動報告

予算審査特別委員会【3】高校奨学金制度の充実を

2013年3月8日

高校奨学金制度の見直しについてです。

○かつまたみつえ・質問1

高校奨学金支給条例では、この制度は、能力があるにもかかわらず、経済的理由のため就学が困難なものに対して、奨学金を支給することを目的とし、市内に住所があり、学資の支弁が困難であり学業成績が優良である者に対し、月額9,500円、年間123,500円を支給しています。
高校授業料が無償化されたとはいえ、高額の学校教育費は、所得格差に関係なく、一律に支出が強要され、低所得家庭を圧迫しています。だからこそ、本市で行われている、給付制の奨学金は、経済的に困難な生徒にとって、なくてはならない制度といえます。奨学金の申請者数は年々増え、平成24年度は、定員350人に対し、1,277人の申し込みがあるほどです。
これまで取り組んできた、高校奨学金の効果について伺います。

■答弁1・教育長

はじめに、中途退学の状況についてでございますが、神奈川県内の公立高校全体の中途退学率は、全日制で1%強、定時制で10%台となっておりますが、本市の奨学生の中途退学率は、昨年の例で言いますと、全日制で0.3%、定時制で5.9%と、いずれも低くなっており、経済的理由で修学困難な生徒が、卒業するために有効な支援策となっております。
次に、奨学生の進学希望状況でございますが、本市における大学や専門学校等を含めた進学率は78.7%となっておりますが、本市の奨学生に対してアンケートをとったところ、進学希望率ではございますが、88.4%と大きく上回っており、意欲・能力ある生徒が将来社会的に自立するために有効な支援策となっております。
そのほか、奨学生からは「経済面での心理的負担を和らげ、安心して修学できている」「修学課程における、様々な学校行事へ参加が可能となっている」「勉学ヘのモチベーションが高まっている」などの声が寄せられており、学業への意識を高める効果があるものと考えております。

○かつまたみつえ・質問2

これまで取り組んできた高校奨学金について、県内の公立高校全体と比べ、奨学生の中途退学率が低いことから、経済的理由で就学困難な生徒が卒業するために有効な支援策であることや、意欲・能力のある生徒が将来社会的に自立するために有効な支援策である、などの効果があるとのことです。これほどの効果があるのですから、今後さらに充実させることが求められます。そこで、今回報告された奨学金制度の見直し案の内容について伺います。

■答弁2・教育長

初めに、年々増加する申請者数を考慮し、限りある財源のなか採用者を増やしてまいります。
次に、収入基準を小学校・中学校における就学援助と同様に生活保護基準額とし、中学卒業後も引き続き収入面での連続陛を持たせ、必要な人を見直してまいります。
次に、一律で123,500円を支給するのではなく、公私立・学年ごとの学校教育費を踏まえ、必要な額を見直してまいります。
次に、予約採用や緊急採用を採り入れ、必要な時期を見直してまいります。中学3年生の段階での予約を受け付け、高校進学後の速やかな入学準備金の支給、及び年度途中での家計急変における通年採用を採り入れてまいります。
次に、申請基準を設けるなど生徒や学校等の事務負担を軽減するとともに、採用基準を策定し、公表することで高校入学前の資金計画の一助としてまいります。

○かつまたみつえ・質問3

今回の見直し案では、世帯収入が生活保護基準額以内で、成績3.5以上という申請基準を設けています。これは、これまでの受給資格を狭めるものであり、対象を生活保護基準以下としたため、生活困窮世帯を切り捨てることになるのではないでしょうか、伺います。さらに成績基準を設けることで、一段と子どもたちを競争に追い込んだうえ、3.5未満は足きりするものになりませんか、伺います。

■答弁3・教育長

現行の制度では、受給資格は、川崎市高等学校奨学金支給条例で定めた「学資の支弁が困難であり、学業成績が優秀で性行が善良であること」となっており、抽象的で分かりにくいため、見直しにあたり申請基準を設けることといたしました。
基準の考え方としては、収入基準は生活保護基準額以内、成績基準は3.5以上としております。奨学金は条例において能力があるにもかかわらず、経済的理由のため修学が困難な者に対し支給する」ことが目的とされており、その目的に沿って申請基準を設けることは、条例の趣旨にかなうものと考えております。
今年度の申請状況に、申請基準を適用して試算いたしますと、現行の予算を大きく変更することなく、採用者を現在の350人から630人程度に増やすことが可能となるため、現行制度よりも多くの、高校生を抱える生活困窮世帯を支援する制度になるものと考えております。

○かつまたみつえ・質問4

これまで年額一律12万3500円だった給付額については、公立学校1年生は81,000円に、2年生は61,000円に、3年生は、46,000円に、私立2年生は、85,000円に、3年生は、70,000円となり、私立高校1年生の13万円以外は、軒並み給付額が減らされています。これは、採用人員を630人に増やしても予算総額を変えないままであることからくる矛盾であり、見直し案は不十分であると言わざるを得ません。
全国に先駆けて、教育の充実に力を入れてきた京都市の奨学金制度は、市立入学金63,000円、私立入学金178,000円を支給し、全学年で市立144,000円を支給しています。収入は非課税世帯とし、成績の基準は設けていません。
このように、申請者の実情に合わせた制度となるよう給付額を下げることなく、対象人数の引き上げに合わせた、予算総額を引き上げるべきと思いますが、伺います。

■答弁4・教育長

今回の見直しは、次代を担う子どもたちの育ちを社会全体で支える観点から、国や県等による高校授業料無償化等の経済的負担の軽減施策の動向を踏まえ、適切な修学支援を行うことを目的としております。
様々な議論を庁内で重ねた詰果、財源に限りがある中で、条例の趣旨に基づき、採用者数、対象者、支給額などを見直したものでございます。
今後におきましても、予算の確保に努め、将来ある高校生の修学支援を行ってまいります。