議会活動報告

2015年6月議会 質問に立ちました。

2015年7月10日

私は7月6日、一般質問に立ち、「斜面地開発の安全対策について」まちづくり局長に質問しました。質問と答弁は以下のとおりです。

 

図1図2図3図4図5図6

質問①

麻生区上麻生5丁目に建設されようとしているマンション開発地は、もともとは、緑に覆われた急斜面地で、おおよそ、マンションが建てられるようなところではありませんでした。ところが、荒川建設が、緑を削り、木を切り倒し、切土が行われ2年が経ち、今は見るも無残な姿になっています。

2014年6月、大雨の翌日、切土部分が崩壊する事故が起きました。切土部の一部がえぐり取られている不気味な崖です。建築・土木の専門家が言うには、「この状態は、土丹層という固い地層に、サンドイッチ状に挟まれた砂の層がえぐられている。これが外からの雨で削られたのであれば表面の養生で済むが、内側の浸透水によって押し出されたのであれば、(パイピング現象)であり、崖が崩落する危険がある」と指摘していました。けれども、事業者は、雨でえぐられたものといい張り、なんとブルーシートをかけただけで放置しました。

さらに、造成工事に続いて行われた建物の、根切り工事中の今年、4月14日には、同じ部分で、大規模な崩壊事故がありました。縦3メートル、横7メートルという大規模なものです。今回は前回より、強度が高いアンカー付きの吹きつけコンクリートであるにもかかわらず、大きくくずれおちました。また、この時は夜間から早朝にかけて、崖下の住宅地の道路にも、広範囲に土砂が流れ出しました。作業員、ガードマンとともに、散水車が来て、土砂を水圧で、そのまま側溝に流し込んでいました。(これは、その時の状況です。)この土砂流出は、以前から対策を要望していたにもかかわらず、排水路や、仮調整池などの整備を怠るなど、安全対策に不備があったことが明らかになっています。このような切土崩壊が続いていることにたいして、周辺住民はとても不安になっています。ふせぐ手立てはなかったのでしょうか、伺います。

◎ 答 弁

本年4月に発生した建築物の根切り面の崩壊については、開発事業者によりますと、当該根切り面の最下部に砂層が部分的に混じっており、根切りの底にたまった雨水が砂層表面にしみ込んだり、表面を削ったりしたことにより、その上のモルタル及び表面の土が一部落下した

ことが原因であるとのことでございます。

その後の、同様の崩落を防止するための対策として、落下部分の上部を削り取るとともに、周囲も含め、最下部の砂層が雨水で削られないよう、再度表面へのモルタル吹付け及びアンカー工事を行い、安全確保に努めるとのことでございましたので、市としては、早急に対策工事を行うよう工事施行者に対して指示したところでございます。

また、開発区域周辺道路への土砂の流出は、開発事業者によりますと、当時、造成工事の進捗によって一部に雨水が仮調整池へ流れない箇所が生じていたことにより、当該部分に降った雨が土砂とともに道路へ流れ出たことが原因であるとのことでございました。

これを受け、本市から工事施行者に対し、仮調整池への雨水流入経路の再確保や道路脇への土のうの設置など、雨水及び土砂流出防止の徹底について、あらためて指示を行ったところでございます。

これらの対策工事の実施により、今後は、同様の事態の発生を防ぐことができると考えております

質問②

全国各地で、雨による土砂崩れが頻発している時に、市民の生命と財産を守る自治体としての責任が問われています。けれども、これまでの行政の対応は、「起こってしまった事故については、直すよう指導する」というものにとどまっています。

ここが、たとえば、マンション建設ではなく、崖の下に戸建て住宅を建てるような計画であったなら、状況は全く変わります。崖をしっかり、よう壁でおさえ、雨水排水などの、安全対策をきちんと行ってから、建築へとすすむことになります。工事中の安全対策も、細かく決められていて、雨水対策も工事の進捗に合わせて、その区域に降る雨をためる沈砂池も、効果的につくらなければなりません。市民の安全を守るために当然のことです。

なのに、なぜ今回はそういう指導ができず、こんな状態になっているのかというと、「建築制限解除」という手法を使っているからだといいます。この「建築制限解除」というのはこうした斜面に、はりつくように建物を建てて、完成したときには、その建物自体がよう壁の役割を果たして、崖の安全性を担保できる場合には、開発行為の最中に建築確認を下すことができ、同時に工事を始めることができるというものです。

崖の安全性を担保できるマンションができあがればいいですが、問題は、建築制限解除を行うと、開発の担当部署に与えられていた、工事中の安全対策についての、指導権限が及ばなくなり、建築基準法に基づく対策だけになるということです。建築基準法の施行令では、沈砂池の義務付けもなく、土留めの基準もゆるやかで、工事中の安全対策の基準はほとんどなくなり、危険だと思っても、法律上は、行政として、指導や対策がとれなくなってしまいます。

このマンションは出来上がるのに2年以上かかります。その間、30メートルもの高さのがけが、ただ簡単なアンカーとモルタルが吹き付けられただけで、住民の頭の上にそびえたっているのです。さらにこの崖の上には、尾根沿いに住宅が並んでいます。目の前は30メートルのがけ下になっています。すでに2度も崩れているというのに、行政は先ほどの理由から、その原因究明も、抜本的対策もできず、業者の後追いをするだけ。「何かあったら何とかする」だけでいいのでしょうか。

建築資材の高騰などで、マンション建設が遅れに遅れている事例が出ています。このまま、こんな危険な状態を放置するわけにはいきません。こうした事例であっても市が安全対策を指導できるように、知恵を絞るべきです。見解をうかがいます。

◎ 答 弁

都市計画法第37条の規定では、開発行為に関する完了公告が出されるまでの間は、原則として当該開発区域において、建築物は建築できないこととなっております。

しかしながら、当該開発行為のように、建築物本体で崖面をおさえる場合など、やむを得ず開発行為と並行して建築物を建築しなければ、開発行為の工事を完了させることができない場合に限り、建築制限を解除することができるものとなっております。

また、建築制限解除を行った場合は、当該建築工事については建築基準法の工事中の安全に関する規定が適用されますが、開発行為全体につきましては、開発許可申請時に提出を求めた防災計画図に基づく安全対策を引き続き行う必要がございます。

したがいまして、開発行為の終了までの間、工事の進捗状況に合わせて、工事施行者による仮設の沈砂池や排水施設等の安全施設の設置など適切な対応が求められることとなります。

市といたしましては、当該開発行為につきまして、引き続き開発部署と建築部署とで連携し、工事中の安全対策について適切に指導してまいります。

質問③

このように、切土部の崩壊事故や土砂流出を、連続して起こしているにも関わらず、事業者からは、何の説明もなく、住民は日々不安を感じながら生活しています。住民の不安がなくなるまで、行政の責任において、この問題に対する全ての情報を住民に説明する場を持つべきではないでしょうか、伺います。

◎ 答 弁

開発行為に関する周辺住民への説明につきましては、基本的に開発事業者が行うものでございます。

しかしながら、当該開発行為につきましては、一部の周辺住民から、開発事業者からの説明がないとの申し出があったため、市において当該周辺住民との話し合いの場を、これまでに7回設け、周辺住民からの要望等について市から開発事業者へ伝えてまいりました。

そうした中、本年3月には、開発事業者が、工事施行業者の変更と建築本体工事の着手に先立ち、周辺住民を対象とした工事説明会を行ったとのことでございます。

市としては、今後も開発事業者に対し、引き続き周辺住民への丁寧な説明に努めるよう指導するとともに、市からの周辺住民への説明につきましては、開発事業者による説明の状況等を踏まえ、必要に応じて適切に判断してまいりたいと考えております。

雨の日が続き、台風の時期に入ります。安全対策がとられないまま、工事が進められることに、崖の上の住民も、崖の下の住民も、毎日不安の日々を送っています。

事業者に対する指導と、説明の場を持つことを、強く要望しておきます。