活動レポート

「すべての人の「生」を肯定する生活保護はなぜ必要か」をテーマに講演していただきました。

2018年3月20日

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3月17日、「すべての人の「生」を肯定する生活保護はなぜ必要か」をテーマに、つくろい東京ファンド代表理事の稲葉剛さんに講演をしていただきました。(日本共産党川崎市議会議員団主催)

 

稲葉氏はこう話し始めました。

昨年1月、小田原で起きた「保護なめんなよ」事件に60名の職員がかかわっていた。ホームページでは、水際作戦が行われていて、家族・親せきに相談しなさい、資産はないのか、など受けることができない項目がずらりと並び、最後に生活保護を受けるには、という項目がほんの少し書かれているだけ。

法律違反ではないかと申し入れを行った。

市では、

① 「生活保護受給者」でなく「生活保護利用者」とした。

② 生活保護検討委員会を設けた。(元生活保護者の人も入っている)

③ 職員の研修。ケースワーカーを増やす。

④ 窓口に来た人が利用できる「苦情箱」を設置。

などの改善に取り組んだとのことです。

このような状況は相模原市だけでなく、2011年寝屋川市が生活保護適正化ホットラインを開設、2013年小野市で、福祉給付制度適正化条例施行、2015年別府市、中津市でパチンコ店出入りを理由とした保護停止をしていたことが発覚など監視と管理が強化されていました。

2012年、厚労省は各地の福祉事務所に警察OBを配置することを進めてきました。その結果、困っている人に手を差し伸べるべき窓口で、来訪者に疑いの目を向けがちな人が対応するということも起きています。警察OBを配置するのは間違っています。

生活保護制度の利用は本来、憲法が保障する生存権に基づくものです。けれども日本社会では社会保障は権利ではなく、恩恵ととらえられがちです。そうした意識があるところに、働いても生活が苦しい人たちが増えたため、生活保護に対するバッシングが起きやすくなっています。(2011年のNHKの報道以降、バッシングが増えた)

稲葉さんは、豊かな国のはずのこの日本で、路上で死ぬ人がいる。その現実に驚き、1990年代からホームレスの人たちの支援にかかわり、貧困問題の可視化に取り組みながら、3000件近い生活保護の申請に付き添いました。

2013年度から、生活扶助の引き下げが行われ、2015年には住宅扶助基準の引き下げ・冬季加算の削減が行われたことから、引越しを余儀なくされたり、北日本の方は、暖房費が大変で、単身者の方にとっては、大打撃となりました。

今回、2018年10月からはさらに生活扶助基準引き下げを行おうとしていることについて、その問題点について、詳しく話されました。

ホームレス経験者が働くカフェがオープン

ホームレスを経験した人が働き、地域の人と交流できる場所を作りたいと東京都練馬区にカフェをオープンしました。名前は、「カフェ潮(しお)の路(みち)」コーヒーや本格カレーが味わえます。稲葉氏が、クラウドファンディングなどで集めた寄付金で開設しました。

つくろい東京ファンドは空き家を利用した生活困窮者のための個室シェルターを開設し、住まいの確保や生活支援を行っています(22部屋)稲葉さんは、「住まい」の次は「仕事」と「居場所」が必要とカフェを立ち上げました。地域の方も高齢者もお子さんも集まれる、みんなの居場所にしていきたいとのことです。

(生活保護の実態をお聞きし、改めて生活保護の問題は、制度を利用している人だけの問題だけではないことがよくわかりました。

また、資料に中にあった高校生からのメールが胸に突き刺さりました。)

生活保護世帯の高校生からのメール(2013年6月)

私は高校生です。私の家は生活保護受給家庭です。私の人生は普通の高校生が送ってきた人生とはかなりかけ離れていると思います。おそらく想像もつかないでしょうし、話せば同情、偏見様々な意見があるでしょう。

通学に1時間半かかる高校に通っていて朝は4時半に起きて弁当を作り、学校帰りにそのままバイトに行き、帰宅するのは22時ごろ。勉強もありますし家家事をしたりで寝るのは0時か1時です。

私がおかしいと思うのはバイト代が差し引かれることと、扶養義務についてです。

私は専門学校への進学を考えてバイトを始めました。

高校生のバイト代が生活費として差し引かれるのは当たり前のように思われていますが、学校に通い成績上位をキープしながらバイトをするということがどれだけ大変なことかわかっていただきたい。そしてバイトをするのは決して私腹を肥やすためではないことを。

専門学校も奨学金で行けばいいといわれますが、専門学校卒業後、高校の奨学金と専門学校の奨学金を同時返済しさらには親を養えと言われる。高校の奨学金の返済で84万円。進学するとなれば200万以上はかかります。

私はいつになれば私の人生を生きられるのですか。いつになれば解放されるのですか。

はっきり言って私は家族を恨んでいます。子が親を養うことも当たり前のように思われていますが、それは恨んでいる親を自分の夢を捨ててまで養えということなのでしょうか。成績は十分であるにも関わらず進学は厳しいというこの状況はおかしいのではないでしょうか。

ただでさえ切り詰めた生活をしているのに、これ以上何を我慢すればいいのでしょうか。

景気が上がれば物価は上がるのに保護費は減額?

私がどうしても伝えたいことは生活保護受給家族の子供は自分の意思で受給しているわけではないということです。生活保護への偏見を子供に向けるのはおかしいです。不正受給ばかりが目につき本当に苦しんでいる人のことが見えなくなってはいませんか。

選挙権がない私には国を動かす方々を選ぶことができません。だからこそ生活保護受給家族の子供について国を動かす方々にはもっと考えて頂きたいと思います。