5月10日・11日にかけて、環境委員会の視察に行ってきました。
1日目は、三重県四日市市で、①四日市公害と環境未来館、②四日市港および名古屋港における国際コンテナ戦力港湾の取り組みについて、お話を伺いました。
① 四日市公害と環境未来館
戦後の復興から高度経済成長期に入った頃、全国各地で大規模な工場が次々立ち並び、工場周辺では様々な「公害」に多くの方々が被害を受けました。四日市市も大気汚染によって多くの人々がぜん息にり患し、大きな犠牲が払わされました。「四日市公害」といわれました。
平成27年3月に開館した「四日市公害と環境未来館」は四日市公害が発生した経緯や被害、環境改善に向けた様々な対策などについて、子どもから大人までを対象に、わかりやすい展示を行っています。平成28年度は56,454人の来館者があり、海外からも団体で来ているとのことでした。
未来館には、公害の歴史を風化させないために、過去を見つめ、乗り越えないと未来に進めないとの思いが込められているとのことです。
四日市公害の語り部として、現在7人の方が公害の経験や経緯など、ご自身の体験談をお話していらっしゃいます。(干した洗濯物には、真っ黒なシミが付き、洗っても取れない。ぜんそくに苦しむ様子など話され、本当に大変だった様子が伝わってきます)
立ち並ぶ工場のすぐそばにある小学校を模した教室が設置されていて、何度も何度も毎日のように、うがいをすすめる紙が張り出されていました。それでも、ぜんそく被害はとどまることはなかったのでしょう。校歌には、はじめ、工場がどんどん立ち並ぶことを応援するような歌詞が盛り込まれていましたが、その後作り直されていました。
(会館のリニューアル費用は、全体で、21億円ぐらいかかったそうで、四日市公害と環境未来館は、7億とのことです。)
川崎でも同じように公害の歴史や苦しんだ人々の思いが、風化することのないように、未来に引き継ぐ取り組みが必要です。
② 四日市港および名古屋港における国際コンテナ戦力港湾の取り組み
四日市港が一望できるポートビル上階でお話を伺いました。四日市港の平成28年総取扱貨物量は、全国第15位6140万8千トン、川崎港は10位8196万9千トン、外貿コンテナ取扱個数は、四日市港は10位約18万TEU(29年度は、19万7千TEU)、川崎港は15位約8万4千TEUです(同じような感じです)今後の取り組みをお聞きしたところ、30年半ばぐらいまでに、43万TEUが目標とのことですが、なかなか厳しいとのことでした。
道路ネットワークの充実のため平成30年4月に新たに霞4号幹線を開通。コンテナターミナルと一体となった物流機能の強化のために、平成28年9月にコンテナクレーンを5基から6基に増やしたそうです。(残念なことには、私たちが視察した日は、船が一隻も来ていませんでした)
平成29年5月に、「名古屋四日市市国際港湾株式会社」を設立しています。資本金3000万円(四日市港管理組合 1050万円(35%)、名古屋港管理組合 1950万円(65%)ちなみに、名古屋は、140万TEU 81便。四日市市は、17万TEU 17便です。
全体の状況が、京浜3港(東京、川崎、横浜)の構図ととても似ています。いただいたしおりには四日市港ポートビルからの工場の夜景が「日本夜景遺産」に認定されているとのことで、これもまた、川崎の工場夜景とそっくりでした。