東日本大震災後の福島の様子を伝える写真展「福島の記憶 3・11で止まった町」が多摩区役所で開かれていることを新聞報道で知り、野生化したダチョウが街の中を走っている写真が衝撃的だったので見に行ってきました。撮影したのは、福島県三春町の飛田晋秀さん。会場に展示されている70枚の写真は震災後の福島を伝えるものでした。
飛田晋秀さんが、避難者に同行して聞いた話です。
「原発事故は絶対に起きないといわれ信じてきました。「安全神話」に騙されてしまった。悔しくて…・事故前は家族9人で暮らしていたが原発事故後の3月25日に父親が亡くなり、母親は県内の施設に入っている。息子夫婦孫たちは、関東地方に避難して福島には戻らない。家族がバラバラになってしまった。俺たち夫婦は県内に残り、生活をしているが、7年過ぎた今も落ち着かないでいる。
原発事故さえなかったら息子夫婦に会社を任せて好きな農業を夫婦ですることにしていたが、すべて奪われてしまった。孫やこれからの人のために原発事故は何も変わっていないことを国や東京電力にあきらめず避難者の苦しみを、訴え続けていかなくてはならない。」
写真を一枚一枚見ていると、震災後、被災地を視察、被災者支援を行い、被害状況を目にしてきたことが思い出されました。被災者の思いに心を寄せると、今も胸が痛くなります。
今なお原発稼働にしがみつく政府の態度は許すことができません。