2021年度第4回川崎市議会定例会が、12月16日から21日まで行われました。私は、ナラ枯れについて、市道麻生2号線の整備について、スポーツ施設の充実について、生産緑地2022年問題等について、児童虐待対策について、一般質問を行いました。
に建設緑政局長にナラ枯れについて、質問しました。
質問①
ディスプレイお願いします。
① これは、ナラの木に入り込んでナラ枯れを起こす、カシノナガキクイムシです。一本の木に、1万匹も見つかることがあります。
② 今年4月に、被害が広がらないように、ボランティアのみなさんが、汗を流しました。
③ 幹にロープを巻き、粘着テープを巻き付けていきます。
④ 木の根に隙間があると潜り込んでくるので、隙間なく貼り付けます。
⑤ 身長より上の方まで張り付けなくてはならなく、この作業を何十本も行うのは本当に大変でした。
ディスプレイ結構です。
質問します。 2020年12月議会でのナラ枯れの実態は、市内で20箇所700本が確認とのことでしたが、今年6月議会では被害は広がっていないとのことでした。その後の被害状況について、伺います。
◎答弁
ナラ枯れの被害状況についての御質問でございますが、本市の公園緑地におけるナラ枯れの発生状況につきましては、今年度確認したところ、令和3年8月末時点で新たに1,869本の被害を確認しております。
質問②
被害本数については、昨年は2年から3年をかけて、20箇所700本との報告でしたが、今回は、7月から8月にかけて63箇所1869本へと大きく広がっているとのことです。今後さらに広がることを危惧します。ナラ枯れ調査はどのような形で行われているのか、伺います。また、調査の範囲についても、伺います。
◎答弁
ナラ枯れの被害状況調査についての御質問でございますが、被害状況の調査につきましては、区役所道路公園センターで行っている公園パトローノレや、市民活動団体等からの連絡により、市内の公園緑地における被害の把握に努めているところでございます。調査の範囲につきましては、公園、緑地の外周や、園路沿いなどにおいて被害状況を目視により調査しております。
質問③
被害状況の調査については、区役所道路公園センターで行っている年2回ほどの公園パトロールで、公園や緑地の外周や園路沿いを、目視で調査しているとのことです。ということは、外周や園路のみの調査であり、公園や緑地全体を調査しているのではないということです。また、市民活動団体等からの連絡により被害の掌握をしているとのことですが、市が管理する特別緑地保全地区は61箇所ありますが、そのうち市民が活動している緑地が30箇所とのことですので、これもまた緑地保全全体の被害を調査できているのではないということです。これでは、被害状況の全体が分かりません。さらなる調査の強化が必要と思います。伺います。
◎答弁
ナラ枯れの被害状況調査についての御質問でございますが、ナラ枯れは急速に拡大し、ナラ菌を媒介するカシノナガキクイムシの駆除は困難な状況となっているため、被害により枯死した樹木のうち、住宅に隣接するものや園路沿いのものなど安全性に影響がある樹木を把握する必要があると考えているところでございまして、引き続き、被害状況の把握に努めてまいります。
質問④
被害全体の状況はわからないけれども、これまで掌握している1869本の被害のうち、危険な木から順に対応しているとのことです。危険な木というのはどういう状況の木のことをいうのか、伺います。また危険な木は何本あるのか、その内訳についても、伺います。
◎答弁
ナラ枯れの被害対応についての御質問でございますが、ナラ枯れによる倒木等により、被害の生じるおそれがある、住宅に隣接する樹木や園路沿いの樹木について、重点的に伐採等の対応を行っておりまして、今年度対象となっている樹木は約200本でございます。ナラ枯れにより対策が必要となる樹木のうち、これまでに、約30本につきまして伐採等を実施したところでございます。
残りの170本についても、倒木や落枝による被害が生じないように、伐採や枝下ろしを実施してまいります。
質問⑤
ナラ枯れした1869本のうち、被害の生じる恐れがある木は200本、今年度中に伐採しなくてはならないのに、まだ30本しか伐採されていないとのことです。一本の木の伐採にはどれほどの費用がかかるのでしょうか、伐採しなくてはならない残数が多いのですから財政確保が必要です、伺います。 また、 国、県からの補助金について、伺います。
◎答弁
伐採の費用についての御質問でございますが、1本当たりの伐採には、幹周や斜面の状況により費用は異なりますが、対象となる樹木の平均的な幹周である
約150センチメートノレのもので、約20万円の費用がかかります。対応に必要な費用につきましては、伐採等に多くの費用がかかることから、国の補助金に加えて、必要な予算のる確保に努めているところでございます。
なお、国の補助金につきましては、森林病害虫等防除事業費がございまして、防除事業に要する経費に対し、国2分の1、県4分の1の補助金が予算の範囲内で交付され、市の負担が4分の1となる制度となっております。
国の補助金の総額は国からわずか30万円、県から15万円とのことです。国や県に対して、補助金の増額を要求すべきです。
質問⑥
ところで、先月CO2削減、地球温暖化対策に貢献する、優れた取り組みを表彰する「第10回スマートライフスタイル大賞」で優秀賞を受賞した「早野聖地公園里山ボランティア」は、里山を保全・管理してこられ、今回、ナラ枯れ対策のため、伐採した木を炭焼きにし、その炭を二ヶ領用水に沈めて水質浄化に役立てたり、伐採した樹木をシイタケのほだ木に活用したり、枝部分をチップ化し、腐葉土と一緒に再利用、区役所のトイレに置いて消臭剤としても活用されています。他にも先ほど紹介したように、木酢液散布やシート貼りなど頑張っている里山ボランティアのみなさんもいますが、なかなか被害を止めることができません。街路樹、公園、神社、お墓、ゴルフ場、緑地、個人宅等は、ほとんどナラ枯れが放置状態となっています。里山の通路は一般の方の散歩・遊歩道として利用され、子どもの通学路となっているところもあります。麻生区周辺では、雑木林の全滅が危惧されています。
市内全域のナラ枯れの調査を早急に行い、必要な予算をつけて、事故を未然に防ぎ里山・緑地を守らなくてはなりません。見解と対応を市長に伺います
◎答弁
緑地保全についての御質問でございますが、都市における良好な自然環境を保全することは大変重要でございますので、さまざまな制度の活用や、市民、企業等との連携による緑地、里山の保全活用に取り組み、貴重な自然を次世代に継承してまいります。
ナラ枯れにつきましては、被害状況の把握に努めるとともに、対策に必要な予算については、森林環境譲与税の活用の検討を進めるなど、引き続き適切に対応してまいりたいと存じます。
要望
被害状況の把握に努めるとともに、対策に必要な予算については、森林環境譲与税の活用の検討を進めるとのことです。ぜひ、一部分だけの調査にとどまらず市域全体の調査をお願いします。また、ナラ枯れした木をすでに12本も伐採している「早野聖地公園里山ボランティア」の皆さんからは、伐採した木を切る「まきわり機」の購入や、使用して20年になる炭焼き窯の補修についてお願いしたいとのことですので、対応していただくよう要望しておきます。