3月3日、中原区ユニオンビルで、全国保育団体連絡会事務局長の実方伸子さんを招いて「子ども・子育て新システムで、子どもは?保育は?」についてお話していただきました。
東日本大震災の時、保育園の保育者たちが、命がけで子どもたちを守った話や、今も被災地で、すべての子どもたちに安心できる保育の「場」を作るために頑張っている姿を被災当時の保育園の様子をスライドで示しながら話してくださいました。
次に、政府が進めようとしている「子ども・子育て新システム」で保育がどう変えられようとしているのかをわかりやすく話されました。
新システムでは、市が保育が必要かどうかを認定はするけれども、保育園(こども園)を決めるのは保護者で、直接施設と契約し、保育料をこども園に払う。保育料については、今は収入に応じた払い方で、所得が低ければ、安い保育料でよかったが、新システムでは受ける保育の内容ごとに料金が増える応益負担となり、所得の低い人はこども園に入れなくなる。施設の経営者は、収入が少なくなると、経営を維持するために、人件費を削らざるを得なくなり、正規職員を非正規にすることになる。そのことにより、保育の質が低下する。企業が入ることのできるような規制緩和が行われ、子どもで儲ける仕組みがつくられ、儲からなければ親の都合などお構いなしに閉園される恐れも生まれる。幼保一元化といいながら、施設が複雑になり、どこへ申し込めばいいのかわからなくなるなどの話がありました。
結局「新システム」では
① 保育の産業化・市場化によりコストが削減される。
② 新システムでは待機児童は解消しない。
③ 保育の質が低下する。
④ 「新システム」のための税と社会保障の一体化というのは、当てにならない。
ということがわかりました。
保育園・幼稚園・家庭、それぞれのところで、安心して子育てできる環境を整えていくことが、今、国や自治体に求められているわけで「新システム」であれこれいじくりまわすべきものではありません。「子ども、子育て、保育に十分な投資を」という声を広げていかなくてはと思いました。