「生命(いのち)を生み出す母親は、生命を育て、生命を守ることを望みます」のスローガンをかかげて草の根の運動をつづけてきた川崎母親大会が行われ、私も参加してきました。
東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故から1年3か月になりますが、今なお多くの人たちが厳しい避難生活を強いられています。放射能の広がりは、田や畑、海、山、河川を汚染しつづけ、子どもたちから心身ともに健康に育つ環境を奪っています。「いのち」のスローガンを掲げて歩んできた母親大会の原点に立ち、「放射能汚染から子どもを守ろう」「原発の再稼働を許さず、経済優先でなくいのちを守る社会を」の願いを広げようというアピールを採択しました。
記念講演では、フォトジャーナリストの郡山総一郎さんが、原発事故の翌日から被災地に行き、福島・浪江町での放射線量下で撮り続けた、生々しい記録(写真)を、スライドを使って話して下さいました。震災後すぐの被災地は死体があちこちに放置されたまま、死んだ人をこんなにたくさん見たのは初めてのことと語りだした郡山さん。車が突き刺さり、船が墓石をなぎ倒して、陸に乗り上げ、人がいなくなった通りは、まったく音がしない。
原発から29,8km、雨どいの線量は685マイクロシーベルトの浪江の酪農家に寝泊まりして2か月半、牛舎を中心に周りの様子を取り続けました。牛は肉牛として売られ、病気で亡くなり、牛舎には、一頭の牛もいなくなりました。今は、野良になった牛が、グループを作って歩いている光景があり、なぜか違和感が。セシウムをなくすためといって植えられたひまわりは、あちこちに咲き乱れたが効果はなかった。今、人がいなくなった福島の空気は昨年より気持ち悪く感じるとのことです。スライドを見ながら、昨年の震災、原発事故からこれまでを、思い浮かべながら、原発再稼働を許さず原発ゼロの取り組みを強めようと思いました。