活動レポート

「地域共生のいえづくり支援事業」について

2010年7月13日

P1040685 世田谷には、現在、9件の地域共生のいえがあるとのことです。どのようにして作られたのか、どんな活動が行われているのかをお聞きしました。

そもそもの始まりは、9年前に、地域の地主さんからの相続についての相談がきっかけで、まちづくり助成制度が使えないかとの相談が回ってきたとのこと。

その後この相談者のオーナーが2005年9月にスタートした「COSちとふな」が第一号で、その後毎年一カ所二カ所と増えていき、2010年5月には9か所目の「あかねこうぼう」が生まれました。協力している財団法人、世田谷トラストまちづくりは100%区の出資で運営されていますが、共生のいえは、オーナーの主体的な意思により地域にひらかれた私有の建物だそうです。資金面の苦労もあるようです。例えば「岡さんのいえTOMO」では、年間50万円の費用を、区の再生事業補助を申し込み30万円、まちづくりファンドから20万弱と、会費で運営しているとのことでした。

地域共生いえ」支援事業は、愛着を持つ地域に対し、自分が可能な範囲で、自宅の家の一部や全部を活かして役立てたいと思う「オーナー」の意思に応える制度ではありますが、あくまでも、地域の人々の絆を育み、子どもから高齢者までだれもが安心して心豊かに暮らせるまちを築く一翼を担えるという以外には、オーナーに何か特別なメリットや見返りがある制度ではないとのことです。

世田谷区内にある9軒の「地域共生のいえ」1軒1軒の様子を丁寧に説明していただきました。子育て支援の場、高齢者の集うサロン、子どもの地域の居場所、近隣の交流の場等、様々な地域ニーズの受け皿として、また、地域の新たな絆を生み出す場ともなっていることが分かります。一度様子を見に行きたいです。

麻生区にも、自宅を開放して、地域の人が集うサロンにしたいと思っている方や、すでに地域の人に開放しているところもあります。川崎市でも、世田谷の財団のような、地域共生のいえを後押しし、協力・援助する財団があればいいのにと思いました。