さいたま市につづき、浜松市は、政令市で2番目となる中学校卒業まで、所得制限なしで、医療費助成を2010年4月から行っています。導入の経過、制度設計、事業内容と実施状況、予算、導入後の反響などについて学んできました。
①導入に至った経過については、平成19年8月の市長のマニフェスト(子ども第一主義)の実践の中の一つとして検討を始めたとのこと。市では、子どもを持つ世代は全体の30%、そこのところを元気にしないといけないという考えから、就学前まではすで無料化していた医療費を中学校卒業まで(約7万人対象で、所得制限なし、15億円の支出を想定して)引き上げようと検討を始めた。財政的なことを考えてもっと慎重に考えるべき、段階的にやってはどうかなどの声もあったが、21年4月には、市長を先頭に、群馬県と前橋市を視察するなどして、中学校卒業までの無料化に、踏み出しています。本来国がやるべきことではあるけれども市が率先して行っているといいます。
②制度の内容、利用方法、一部負担金については、浜松市内での受診のみ現物給付。窓口負担金は入院・通院とも500円の一部自己負担。診療時間内の助成に限るとのことです。
保護者からは、拡充前は、早く確実に実施を望む声があった。また、医療費助成制度は、転居先の都市を選択する要素とのメールもあった。通院助成実施後は、大変助かるとの電話も寄せられているとのことでした。
川崎市は、就学前まで医療費は無料となっていますが、所得制限があって、2割~3割の家庭が受けられません。昨年市長は選挙の公約で、拡充すると言っていたのに、国が政策を打ち出さないのでという理由で、実行されていません。 浜松市では、本来国がやるべき制度ではあるけれども、子どもの疾病の早期発見・早期治療は、こどもの健やかな育ちにとって重要であり、今後の医療費負担の抑制にもつながる。だから自治体が率先して行っている。何より、保護者の経済的な負担を軽減し、子育てを応援するということが大事だとのことでした。
浜松市では、このほかに、「公立幼稚園が多い幼児教育施策について」聞き取りを行いました。