活動レポート

芦屋市、高齢者への「生活援助員(LSA)派遣事業」を視察

2010年7月16日

P1040739  阪神・淡路大震災から15年。震災で住居を失った高齢者の多くが災害復興公営住宅に入居しました。入居者の半数近くが65歳以上です。その復興住宅で絶えない孤独死。孤独死をなくすため、芦屋市の委託を受けて、社会福祉法人「あしや喜楽苑」が、県内唯一、復興住宅内の1人暮らし高齢者への365日24時間、入居者の生活相談や安否確認、緊急通報の対応、一時的家事援助、関係機関との連絡などの生活援助員派遣事業を行っていると聞き、「喜楽苑」現地で事業内容を聞き取り、施設を見学してきました。

「あしや喜楽苑」の田中喜代子施設長から、喜楽苑が行っている高齢者総合福祉施設の事業全体の説明を受けた後、

復興住宅の高齢化の現状(高齢化が進み、70代80代が多い、最近は、60代の方も増えているとのこと)

孤独死をさせないための対応(緊急通報用ブザーが押された場合のほか、12時間以上水道を使わなかったり、2時間以上水道が使用しっぱなしの場合、緊急通報が事務所に入る。解除キーの設置など)

LSAの業務内容(①緊急時の援助、②健康維持・体調不良への援助、③食生活維持への援助、④移動の援助、⑤手続き代行、⑥情報提供、⑦認知症対応、⑧住生活維持への援助、⑨9機関連携、⑩話し相手などの内、この5年間での特徴は、高齢化により、住生活維持への援助が倍増していること、また、認知症対応が増えていることとのことでした)

今後の課題(緊急通報装置のない所で倒れた時、すぐに連絡が入らず発見が遅れること。LSAと家族との連絡を密にすること)などについて、お聞きしました。

P1040763聞き取りの後、南芦屋浜団地に伺い、緊急通報システムを取り付けているお宅を拝見してきました。各部屋、風呂場、トイレ書き空間にシステムが取り付けられていて、通報すればいつでも24時間、コミュニティープラザから支援員が来てくれるという安心があることが分かります。24時間体制で対応しているので、「夜、ベランダから見える事務所の明かりに、ホッとする」という声も納得できます。

24時間体制を維持する人員として、正職員2名と、非常勤9人の11名で対応しているとのことですが、委託費と事業費合わせて、3850万円とのことですが、シルバーハウジング以外の復興住宅でも高齢化が進んでいるとのことなので、支援が必要な人たちすべてにサービスを提供するためにも、生活援助員の体制強化は必要ではないかと感じました。

川崎でも1人暮らしや、孤独死が年々増えています。1人暮らしの高齢者の不安を取り除き、安心して住み続けるためにも、また、孤独死対策としても、このような生活支援事業ができればいいなと思いました。