議会活動報告

2015年6月一般質問 続きです。

2015年7月10日

教育環境の改善について伺います。

質問①

私はこの間学校訪問を行ない、学校と子どもたちの置かれている実情をこの目でみてきました。そこでいくつか質問をいたします。

はじめに学校施設長期保全計画についてです。事前にいただいた資料の内、市内の学校施設の築年数を見ますと、築20年を超えるものが全体の7割を占め学校の老朽化が深刻な事態になっています。築50年以上という学校も15校あります。

私が訪れた川崎北部のある学校では「水道管をひねるとまず赤さびが出てくる」「ガス管も古くガス漏れをおこしたが早期に発見したため大事にいたらなかった」「天井から水漏れがし、防水対策を申請しているが音沙汰がない」ということでした。「防災拠点となるべき体育館も水漏れがする」というお話も聞きました。

このような老朽校舎をどのような計画で改修をおこなっていくのでしょうか。伺います。

◎ 答 弁

本市の学校施設につきましては、これまでも安全で快適な教育環境を確保するため、破損、劣化部位の補修等に努めてまいりました。

今後につきましては、学校施設長期保全計画に基づき、築年数に応じ校舎・体育館を3つのグループに分類し、改修による老朽化対策、教育環境の質的改善、環境対策を計画的に実施し、長寿命化を推進してまいります。

本計画の実施にあたりましては、平成26年度から概ね10年間を第1期取組期間とし、築年数に応じた改修を行い、教育環境の底上げを図ってまいりたいと考えております。

なお、破損、劣化部位の補修等につきましても、緊急度、優先度に応じ、これまでと同様に取り組んでまいります。

質問②

「おおむね10年間で改修を行っていく」という答弁です。私は、その計画の一部にあたる「2014年度、2015年度の設計着手校一覧」をいただいています。それによると、説明のあった26年度設計着手のABグループの校舎・体育館がスッポリとぬけています。また27年度設計着手の項目からはCグループの校舎がスッポリと抜けています。なぜ、計画から抜けてしまったのか。伺います。

◎ 答 弁

学校施設長期保全計画につきましては、平成26年3月に計画を策定し、平成26年度から取り組みを開始したところでございますが、同時に多数の学校施設の改修に着手することとなりますので、確実な事業実施を期するため、着手時期を平成26年度と27年度の2箇年に分けたところでございます。

今後におきましては、本計画に基づき、第1期取組期間における着実な事業実施に努めてまいりたいと考えております。

質問③

10年間で終了ではなく、第1期取組期間ということです。なのに、当初予定からずれ込んでいるようでは、その計画すら、遅れに遅れて、そのうちに新しく立て替えた校舎・体育館も改修しなければならないという事態を招かざるを得なくなるのではないでしょうか。今の計画を前倒しして早期の修繕計画をキチンとたて、改善すべきです。そのためにも、全ての学校ごとに、何年度に設計着手、何年度に改築行うということを明らかにすべきです。伺います。

◎ 答 弁

学校施設長期保全計画におきましては、各グループ毎に学校が保有する最も古い築年数の校舎、及び体育館に着目し、順次改修に着手していくことを基本としておりますが、児童生徒の増加に伴い増築が必要となる場合や、校舎と体育館の改修工事が同時期となる場合等においては、工事の輻輳による学校への影響を考慮し、着手時期を調整する必要が生じることもございますので、学校ごとの状況を総合的に判断し、計画的に着手してまいりたいと考えております。

長期保全計画については、おおむね10年間の計画といいながら、2016年度以降については、まだ、計画が立てられていないことが明らかになりました。築20年以上たっている学校では、建物に不具合が出てきていることから、急ぎ改修してほしいとの声が多くあります。この声にこたえるためにも、10年計画を明らかにすべきことを要望しておきます。

次に学校のトイレについて伺います。

質問④

事前調査によれば、子どもたちが使うトイレが完全に洋式で和式ゼロという学校は小・中165校のうち、3校にすぎませんでした。「汚い・暗い・臭い」3Kのトイレ、いまだに和式が主流という学校がほとんどです。いま、ほとんどの家庭は洋式になっているため、学校の和式で暗いトイレにはいることができず、我慢をして、自分の家のトイレに駆け込む子ども、そして、トイレに入れないためにワクワクプラザにも参加できない子どもたちもいると聞きました。小学校・中学校165校のうち、トイレ快適化計画でこれまで改善を行った学校数と、それぞれの学校ごとの、箇所数を伺います。

◎ 答 弁

平成20年度から学校トイレの快適化事業に取り組み、床の仕様が湿式の134校を対象に、便器の洋式化や床のドライ化などトイレの環境改善を実施しており、平成26年度末で小学校58校177箇所、中学校21校73箇所、計79校250箇所を整備したところでございます

質問⑤

79校改善を行っているとのことですが、学校全体のトイレ改善を行ったのではなく、縦一列のみとのことです。明るくなり、なんとなくオシャレになった快適化トイレは子どもたちの人気です。汚いトイレをさけて、快適トイレに向かう子どもたちの姿を見ました。早急にトイレの快適化を進めるべきです。改善のための年次計画を明らかにすべきです。伺います。

◎ 答 弁

学校トイレの快適化につきましては、児童生徒の要望が高く、かつ、重要な課題であると認識しておりますので、学校トイレ快適化事業での改修を行うとともに、学校施設長期保全計画に基づき、全ての学校のトイレの快

適化に取り組んでまいりたいと考えております

 

小中学校の特別教室へのエアコン設置について、伺います。

質問⑥

普通教室へのエアコン設置が基本的に完了しました。しかし、近年の夏場の暑さから、いま教育現場の切実な要望となっているのが、特別教室へのエアコン設置です。

音楽室は騒音の苦情もあり、100%の設置です。ところが理科室、美術室、小学校の家庭科室、中学校の被服室などの設置率は20数%から30数%ときわめて低い設置率になっています。「サウナのような状態で学習に集中できない」、「授業中に体調を崩す人が何人もでる」という声が上がっています。

学校施設長期保全計画で順次設置していくとのことですが、何年かかるか分かりません。計画を前倒しし、早期に設置すべきです。伺います。

◎ 答 弁

特別教室のうち音楽室につきましては、合唱や楽器を演奏するなど、窓を開閉することが難しいことから全学校に空調設備を設置しているところでございます。その他の特別教室につきましては、各学校や児童生徒の実態、教室の配置等の個別の状況を踏まえて適宜対応しているところでございます。

今後は、これまでの取組に加え、学校施設長期保全計画に基づく教育環境の質的向上の中で、快適な教育環境を確保するため、特別教室の空調設備等につきましても整備を進めてまいりたいと考えております。

質問⑦

エアコンが設置されていないところではもちろんのこと、すでにエアコンを設置しているところでは、節約と節電のために窓をあけて外の風を取り入れるという工夫も学校現場では行っています。ですが、学校によっては、窓をあけると虫や蚊が飛んできて、なかにはヘビも入ってくることもあり、うかつに窓があけられません。せめて網戸でもあればというのが現場の切なる願いでした。このようなちょっとした工夫・気遣いに教育委員会はこたえるべきではないでしょうか。網戸の設置を希望する学校には設置すべきです。伺います。

◎ 答 弁

学校からの営修繕の申請につきましては、学校からの依頼に基づき、現場の確認や学校管理職の意見等を聴取するとともに、教育委員会において、緊急性・安全性・優先性等を考慮するなどして、教育環境の維持・改善に努めているところでございます。

学校から申請があれば対応していくとのことです。