10月22日、岡山市に視察に行きました。岡山市役所で、「岡山市の学校図書館司書事業」について、レクチャーを受けました。
岡山市では昭和27年に、PTA雇用の司書が始めて学校に置かれたそうです。昭和36年、教育長が3年計画で市職員として採用するよう努力することになり、翌年から正規職員司書の採用試験が実施され、その後嘱託司書も採用されるようになり、昭和44年には小中学校全校に司書が配置されるようになりました。
平成27年4月現在、小中高等学校130校で正規司書38人、嘱託司書は91人という状況だそうです。行革との関係で平成24年度から正規司書の採用は止まっているようです。嘱託司書は週36時間の勤務、1年毎の更新、給料の昇給は行われているということです。
学校司書全校配置による効果は、
1. 児童・生徒の図書館利用意欲の向上 、2. ニーズにあった資料の提供3. 安定した貸し出し冊数 4. 委員会活動の活性化
5. 関係教員の負担軽減 6. 図書費の効果的な運用 多くの生徒が毎週2冊の本を借りているそうです。「テスト、早くできたら本読んでいいよ」「給食、速く食べたら本読んでいいよ」など。岡山県の図書館の貸し出し冊数は全国一だそうです。
学校司書は職員室に机を置き、いつも教員の相談相手になれる、教員の資料要求を知り、あるいは資料要求を引き出し、資料を提供する、まさに教員の指導力を引き出してくれる、これは教員だけにではなく、児童・生徒にとっても同じ役割を果たしています。
川崎での取り組みとのあまりにも大きなギャップ。川崎で図書館司書の配置を求める方たちは、この岡山市の取り組みをしっかり学んで、高い理想をかかげ、川崎の子どもたちにも一刻も早く岡山市のようにと毎年、請願をだされているのです。その思いに応えるためにも、子どもたちのためにがんばらなくてはなりません。
その後、岡山市の公民館事業の視察で、中央公民館に向かいました。公民館は中央公民館1つと地区公民館が36館あります。地区公民館には職員が5人配置されています。昨年は、館の主催講座1,127講座でのべ28万人が参加、クラブ講座は2,482講座、延べ54万人が参加しています。この日の中央公民館の会場も手話教室、パソコン教室、木彫り講座など市民が活発に活動に使っていました。
公民館は戦後、地域の人々が学び、集うことによって、平和で民主的な社会を築いていくために、昭和24年から全国の市町村に設置されましたが、この公民館の役割を発展させ、岡山市の社会教育を語る場合、公民館活動抜きには考えられないと、行政は言っています。