5月14日川崎市総合自治会館において、川崎市精神保健福祉家族会連合会 あやめ会の設立50周年記念大会が行われました。あやめ会は、昭和44年に設立され今年で50年。家族会の皆さんのこれまでの道のりは決して平坦なものではなかったと思います。式典では、7行政区の家族会の活動・事業紹介がありました。厳しい環境の中で、一生懸命活動されてきたとの報告がありました。一人で悩んだり、家族だけで苦しんでいては解決しない、精神障がい者を抱える家族同士が励ましあい、助け合うのが家族会。家族会派毎月例会を行い、情報交換、勉強会、施設見学、イベントなどを行いながら体験談を共有する時間をとっているとのことです。麻生区は、多摩区から分区して、現在は、「麻生やまゆりの会」として、第2土曜日に定例会を行っているとのことでした。
シンポジュームでは、埼玉県済生会鴻巣病院副院長、あやめ会理事、前東洋大学教授の白石弘巳氏が「これまでの50年とこれからの精神保健福祉」と題して、お話がありました。日本の精神科医療、福祉の特徴について、家族に負担を強いる制度、地域ケア体制の遅れなどを指摘し、精神障碍者のケアに対する考え方が変わってきたこと。白石氏があやめ会との関わりの中で、様々な患者さんとの出会いの中で統合失調症を理解するポイントや支援の方法を学び、本人のありのままを認め、希望に沿う努力をすること、話すことが回復につながること、良い環境づくり(自分らしいと感じられること、自分の思い通りに過ごせること、言いたいことが言えること)と慣れるまで待つことが大事だと話されました。また、支援者が念頭に置くべきこと、家族からの提言、課題解決のためのシステムづくり、国の精神保健福祉施策、精神障害の人も含む地域包括ケアなどについても話されました。
パネルディスカッションでは「地域とともに歩む精神保健福祉へ」をテーマに、当事者、家族、支援者、行政、あやめ会の方をパネリストとして進められました。当事者や家族の方のお話には、苦しい思いが込められていて、胸が詰まりました。夜間の過呼吸が起きた時の対応をしてほしい。日中一人でいる時間が多いので、安心して過ごせる24時間体制が欲しい。他分野の方と成功体験が交流できる場が欲しい。地域で安心してくらしていくために理解者を増やしていく必要がある。財政的支援がどうしても必要です。などたくさんの切実な要望がありました。
あやめ会の方々に寄り添った活動をしていきたいと思います。