議会活動報告

12月一般質問で、市民生活を支える公共交通の強化について、質問しました。

2018年12月21日

IMG_9925

質問①

今全国の自治体で問題となっているバスの運転手不足による減便問題についてです。

今年の夏に市議団が行った市民アンケートには麻生区民のバス利用に関する切実な声が寄せられました。

「柿生行バスの便で不便を感じています。本数の激減。利用者が少ないからと言って明らかに本数を減らすのは高齢化社会に逆行する施策のような気がします」

「虹ヶ丘にすんでいますが、東急バスの本数が全然すくなくなりとても不便です。また柿生行の本数が減り、大変不便です。1時間に一本もないのでせめて1時間に一本は出してほしい。」このような声です。

麻生区は川崎市内で最も高齢化が進み、しかも山坂が多い地域です。高齢者にとって買い物や病院の通院などの足の確保は必要不可欠です。ほとんどの地域でバスの増便が求められています。そのような中でバスの本数を減らすことは生活不安に拍車をかけ、生活基盤を奪うものとなります。市はこのような減便についての状況をつかんでいるのでしょうか。伺います。

◎答弁

路線バスについての御質問でございますが、運行本数の減便につきましては、利用状況や事業採算性等経営上の判断などの観点から、基本的には各バス事業者が自主的に行うものでございます。こうしたことから、地域住民の生活に大きな影響等を及ぽさない減便の状況については、把握しておりません。

質問②

減便の状況について、掌握していないとのことです。驚きました。減便で困っている方がたくさんいるのですから、減便となった路線はいくつあるのか、減らした理由は何なのかぐらいはつかんでいただきたいと思います。先日のNHKの特集ではこのように伝えていました。バス路線は生活に栄養を与える毛細血管のようだといわれ、市民生活にとって必要不可欠なものです。ところが全国的にバスの運転手の高齢化とともに長時間の拘束、そして給与が低いなどの理由で退職者が増え、しかもバスなどの大型免許取得が難しくバスの運転手確保がむずかしという状況からバスの減便という事態が生まれているといわれているとのことでした。民間企業のやることだからといって傍観し、市として手をうたないでいれば、ますます運転手不足による減便という事態がこの川崎にも広がることは明らかです。そして市民の足、生活基盤を奪うという負のスパイラルに陥りかねません。このような事態に市としてどのような対応をしているのでしょうか。伺います。

◎答弁

路線バスの運車云手についての御質問でございますが、平成25年日本バス協会の運転者に関する公表資料においては、全国的に運転車数が減少傾向となっており、その主な理由として、給与の低下や勤務時間等の労働条件、高齢化などがあげられております。こうした状況を踏まえ、本市内のバス事業者における運転者の確保につきましては、大型2種免許を取得するための自社養成や、定年退職者の再雇用などの取組が進められているところでございます。 本市といたしましては、走行環境の整備等バス運行の効率化や安全性の向上等により、運転者の負荷の軽減も図られているものと考えております。また、本市が主催する「合同企業就職説明会等」への参加を促すなど運転者確保の取組を進めているところでございます。

質問③

市として民間企業と話しあいどのような対応が必要か、市としてなにができるのか今から手を打つべきです。市民の願いは「バスの減便」ではなく「バスの増便」です。そのための対応ももとめられています。

アンケート調査では「新百合ヶ丘駅から細山地域までの小田急バスは30分に1本の運行です。ぜひ20分に1本とするよう尽力ねがいます。高齢者は苦慮しています。マイクロバスでもOKです」「向原に住んでいますがバスの利用が多いため、本数を増やしていただけると助かります」 「柿生駅から黒川に出るのにバスが1時間に1本。夜8時以降はない」などの声がありました。高齢化社会にとってバスの増便はまったなしの課題であり、死活問題です。バスの増便をどのように図っていくのか伺います。

◎答弁

路線バスについての御質問でございますが、居住人口等の変化や高齢化の進展を背景に、輸送需要の変化や二ーズの多様化などが進んでおり、地域交通の基幹的な役割を担う、路線バスネットワークの一層の充実が重要と考えております。こうしたことから、市域全体の一体的かつ機能的な路線バスネットワークの再編に向け、バス事業者のノウハウや既存ストックを活用した効率的かつ効果的な運行について、様々な観点から検討を行ってまいりたいと考えております。

質問④

様々な観点から検討していくとのことです。来年度予算をつけて調査も行っていくともきいております。ぜひ市民の声も反映していただきたいと思います。

麻生区の地域特性から言えば、既存の路線バスだけでは、解決しない問題があります。路線バスで対応できない地域については、市が責任をもって、コミュニティバスの運行など拡げていくべきです。見解を伺います。

◎答弁

コミュニティ交通についての御質問でございますが、コミュニティ交通につきましては、高齢化の進展や事業採算性の課題、多様化する地域二ーズ等を踏まえ、よりー層の取組が重要と考えております。こうした中、本年3月に国において、自治会等による運行が可能となる自家用有償旅客運送に関わるガイドラインが示され、ボランティア等による運行が可能となり、従来に比べ、事業採算性の改善や、より柔軟で利用しやすいコミュニティ交通の運行が可能となる有効な手段のーつと考えております。こうしたことから、現在、その導入可能性について、川崎市地域公共交通会議において、意見交換を重ねているところでございます。これに加え、商業施設や病院などの施設が持つ車両による送迎も有効な手法であることから、多様な主体と連携し、持続可能な交通システムの構築に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。