議会活動報告

ヒアリングループ設置と補聴器購入補助について,質問しました

2019年3月8日

ヒアリングループ設置と補聴器購入補助について

予特 2019 3月

質問①

難聴は、先天性だけでなく、年齢とともに聞こえが衰える老人性難聴もあり、70歳以上で約半数、高齢者難聴は10人に一人という状況です。聞こえないために、コミュニケーションが取れなくなり、人の集まるところに行くのを控え、自宅にこもってしまうことにもなります。聞こえが悪くなっても社会参加を控えることなく、いきいきと暮らせるようサポートするために、ヒアリングループの施設への設置はかかせません。以前は、「磁気ループ」と呼んでいましたが、障碍者団体の意向を受け、今では「ヒアリングループ」と呼んでいます。

私はこれまで、難聴者の聴力を補うため、福祉施設、公共施設へのヒアリングループの設置を、たびたび求めてきました。2009年に改正された、福祉のまちづくり条例の規定には、「公共施設で、客席を設置する場合には、難聴者の聴力を補う設備を設けるよう勧める」とされていましたが、2013年当時までは、聴覚障害者情報文化センター、市立聾学校、多摩川の里身体障碍者福祉会館の3箇所のみでした。この間の質問の中で、徐々に設置場所が増えてきています。現在把握しているヒアリングループの設置状況について、伺います。

答弁

ヒアリングループの設置状況についての御質問でございますが、

ヒアリングループにつきましては補聴器や人工内耳を使用している難聴者の方の情報保障の重要な手段の1つとして認識しているところでございます。設置状況につきましては、川崎市聴覚障害者情報文化センター、南部、中部、北部、多摩川の里身体障害者福祉会館、市社会福祉協議会、及び各区社会福祉協議会の13箇所、その他の公共施設6箇所、計19箇所で設置されていることを把握しているところでございます。

質問②

難聴者の中には、どの施設にヒアリングループが設置されているのかよく知らされていないということもあり、電話をして聞くこともできないことから、目に見える周知や、難聴者だけにかかわらず多くの方にループの周知が必要との要望に、設置状況とあわせ、周知についても検討していくとのことでしたが、検討状況について、伺います。

答弁

ヒアリングループの周知につきましては、聞こえに悩んでいる方やその家族を対象に、情報提供、情報伝達の支援を行うことにより、自立と社会参加を促進している聴覚障害者情報文化センターが中心となり、相談、講座、研修等において、聴覚障害に関する基本的な知識や配慮等に加え、ヒアリングループの設置個所、使い方の周知を図っているところでございます。

質問③

ヒアリングループを設置している施設においては、ここには設置をしていますよというお知らせが目に見えるようなマークの設置について、要望しておきましたが、検討状況について、伺います。

答弁

ヒアリングループを設置している施設や対応機器であることを表示するヒアリングノレープマークにつきましては、一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会が定めたものでございますが、現在、障害者に関するマークは、各種団体により多数定められている状況がございますので、本市としましては、対応の整理が必要で

あると考えているところでございます。

質問④

補聴器購入補助についてお聞きします。

「会話がしやすくなった」「安心感がある」など難聴者が補聴器を使うことで生活向上に役立っていることが、日本補聴器工業会などの調査で浮き彫りになっています。ですが、日本の補聴器の公的補助は70デシベル以下は対象にならないなど限定され、多くの難聴者が対象外となっています。しかも、補聴器は高額で、平均1台15万円もすることから、補聴器の普及が低くなっていると工業会は分析しています。昨年12月兵庫県議会では、「加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める意見書」が全会一致で可決しました。意見書では、日本の補聴器使用率が欧米に比べて低くなっている要因に、高い補聴器購入に、保険適用も公的補助もなく全額自己負担であることを上げ、特に低所得者の高齢者への配慮の必要性を指摘し、欧米では公的補助があり、日本でも一部自治体で補助を行っていることや、補聴器の普及により、生活の質を落とさず、心身の健康と認知症予防となり、健康寿命の延伸にもつながることを示し、公的補助の創設を求めています。静岡県長和泉町では、「聴力機能の低下がある高齢者に対し、高齢者の生きがいづくりと生活支援、及び、社会参加の促進を図ること」を目的として、①長泉町に住民登録がある65歳以上の方、②両耳の聴力が50以上70デシベル未満の方、③障害者総合支援法による補聴器支給の対象にならない方という3つの条件を満たせば、補助の対象としています。東京都でも、すでに23区中8区で補助制度を実施しています。本市でも、補聴器購入の補助を行うべきと思いますが、伺います。

答弁

高齢者に対する補聴器購入の助成についての御質問でございますが

一部の自治体において、非課税世帯で医師が補聴器の使用を必要と認めた場合などに限って一定の助成を行っているものと伺っております。

本市におきましては、高齢者への日常生活用具給付事業としまして、寝たきりやひとり暮らしの方のための自動消火器や心身機能の低下に伴う防火の配慮が必要な方のための電磁調理器など、日常生活における安心一安全の観点から、必要性の高い日常生活用具の給付を実施しており、補聴器につきましては対象としていないところ

でございます。今後につきましては、他の政令指定都市の状況等を注視してまいりたいと存じます。

(要望)

市長は「高齢者福祉のしおり」のあいさつで、「市民が主役」「シニア世代が輝いていること、高齢者が、健康で安心して暮らせることが大切です」と述べています。そうであるなら、高齢者の暮らしをサポートし、地域で生き生きと生活するために、川崎市が率先して支援し、実現していくべきです。補聴器補助は、その一つです。検討を要望しておきます。