議会活動報告

教職員の働き方について、質問を行いました。

2019年10月7日

9月26日、決算審査特別委員会 文教分科会(教育委員会)において、教職員の働き方について、質問を行いました。

教職員の働き方についてです。

質問①

いま、教職員の長時間労働が社会問題になっています。その是正は、労働条件の改善として緊急であり、子どもの教育条件として極めて重要です。

文科省が2019年1月25日に「通知」で示した「時間外勤務の上限ガイドライン」では、1か月の超過勤務は45時間以内、(年360時間)となっていますが、2019年4月、本市の教職員の時間外勤務の平均値は57時間28分です。さらに、川崎の教職員のうち、65%が上限時間の月45時間以上の時間外勤務を行い、45時間超100時間以内の先生は3276人(57,4%)、「過労死ライン」を超える月100時間超の先生は420人(7,4%)もいるなど、文科省の上限ガイドラインを超えて働く長時間・過密労働の実態も明らかになっています。なぜこのような事態になっているのか、伺います。文科省の通達が「1か月の超過勤務は45時間以内」としているのですから、時間外勤務の削減を、すぐに行うべきではないでしょうか。見解と、対応を伺います。

◎答弁^

平成29年度に実施した本市教職員の勤務実態調査において、教職員の長時間勤務の要因のーつとして、小学校では、一般的に、毎時間授業をしていることから、児童の在校中は、空き時間がないこと。中学校では、担当教科により授業時数は異なりますが、授業のない時間には、校内巡回を含めた生徒指導業務等があることや、部活動指導に関わる業務の時間が長くなっていることから、児童生徒の在校中は、授業準備、教材研究等の業務について、十分に時間をとることができず、勤務時間外の対応となっているところでございます。本市では、本年2月に「教職員の働き方・仕事の進め方改革の方針」を策定いたしましたので、これに基づく取組を着実に推進し、教職員の長時間勤務の解消を図っているところでございます。

質問①再質問

川崎市の教職員は、65%が上限時間の月45時間以上の時間外勤務を行っているにもかかわらず、一番肝心な、授業の準備をする時間や、子どもたちの話を聞いたりする時間を十分とれていないことがわかりました。そこで、市として2月に「教職員の働き方・仕事の進め方改革の方針」を策定し、取り組みをすすめているとのことです。策定して半年が過ぎましたが、取り組みについて、伺います。

◎答弁

方針の取組につきましては、’就学援助システムの導入や留守番電話の設置をはじめとする各学校における業務改善・支援体制の整備、教職員事務支援員や部活動指導員の拡充などのチーム体制の構築と学校を支える人員体制の確保、働き方・仕事の進め方に関する意識改革の推進という3つの視点を柱として、多くの教職員が有している意欲ややりがいを大切にしながら、進めているとこ

ろでございます。また、働き方改革の推進には、保護者や地域の方々の御理解や御協力が不可欠となりますので、本年6月には保護者あてに市長からのメッセージを配付したところでございます。学校には、時期に応じて様々な学校行事等による繁忙期もございますことから、学校の状況と今後長期的に蓄積する勤務時間データを分析・検証するなど、方針に基づく取組を進めながら、長時間勤務の解消に向けた取組を進めてまいります。

質問②

教職員の現職死は2014年9人、2015年3人、2016年2人、2017年3人、2018年度5人と再び増加し、病気休職者71人のうち53人(75%)の方は精神疾患が原因です。教員の長時間労働は限界に達しています。生徒に行き届いた教育を実践し、教育の異常ともいえる長時間勤務を解消するために最優先に行うべきは、教員の定数を増やすことではないでしょうか、見解を伺います。

◎答弁

勤務実態調査結果を受けて、教員が心のゆとりを持って児童生徒と向き合う時間の確保が課題であると認識しております。本市では、神奈川県から移譲された教職員定数の決定権限等を活用いたしまして、全小学校への児童支援コーディネーターの専任化や、習熟の程度に応じたきめ細やかな指導の充実など、学校現場の二ーズ等を踏まえ、かわさき教育プランに基づき、効果的な教職員配置を行ってきたところでございます。さらなる教職員定数の改善を図るためには、義務標準法の改正を含む定数改善計画の策定・実施が重要であると考えておりますので、引き続き、指定都市教育委員会協議会、指定都市市長会等、さまざまな機会を通じて国に対し、強く要望してまいります。

質問③

過労死ラインぎりぎりの先生が65%もいる、現職死が増え、病気休職者のうち、75%は精神疾患が原因というような異常な教員の働き方の要因の一つに、授業時間の長さ、いわゆる「コマ数の増加」の問題があります。教員一人当たりの授業時数は長い間、「1日4コマ、週24コマ」とされ、それを満たすことを目標に、定数配置が行われてきました。ところが、国はその基準を変え、教員の授業時間数を増やしました。その一つが、学校5日制を教員増なしで行ったことです。その結果、小学校の多くの教員が、1日5コマ、6コマの授業をしています。1日6コマの授業をこなし、法律通りに45分の休憩をとれば、残る時間は25分しかありません。その25分の中で授業準備や採点、各種打ち合わせや報告書作りなどの公務が終わるはずがなく、長時間の残業はせざるをえなくなっています。このような実態をどう認識しておられるのでしょうか、伺います。

◎答弁^

長時間勤務の解消に向けては、健康被害防止の観点のみならず、ワーク・ライフ・バランスの充実等からも早急な改善が必要であると考えております。

今後、働き方改革に関する国の動向も注視しながら、「教職員の働き方・仕事の進め方改革の方釧」に基づく取組を着実に推進することで、長時間勤務の解消に向けて、対応してまいります。

質問④

各学校の授業時数の異常な状況があきらかになり、文科省は、2019年3月29日に県・指定都市教育長あて「学校における働き方改革に配慮した対応を検討する」よう通知しました。具体的には、小学校5年生では、標準時数を980時間として、1086時間未満への見直しを求めています。ところが、2018年度、川崎の小学校5年生の授業時数は1118時間で、32時間もオーバーしています。中学2年生でも、授業時数は1101時間で15時間オーバーしています。教師への重い負担が明らかです。文科省の通達では「授業時数の見直しなどの措置をできるだけ早い段階で講じること」としています。教師の多すぎる「持ち授業時数」の削減をすぐに実施すべきです。見解を伺います。市として、どのような見直しの対応を行っているのかについても、伺います。

◎答弁^

教育課程の編成・実施にあたりましては、今年3月の文部科学省通知により、教師の働き方改革として、授業時数への配慮について示されているところでございます。教育委員会といたしましては、各学校の次年度の教育課程編成に向け、同通知を踏まえ、学習指導要領を基準とした適切な教育課程を編成するよう、本年8月の管理職研修や教育課程研究会において、周知を図ったところでございますが、来年2月に開催する教育課程編成届説明会においても、さらに周知を図ってまいります。

要望

2019年度4月の授業時間数の資料をいただきました。国が1086時間未満への見直しを求めていますが、小学5年生では平均1116時間で30時間オーバー、最高は、1159時間で73時間もオーバーしている方がいます。中学1年でも平均1093時間で7時間オーバー、最高は1192時間で、なんと106時間もオーバーしていることがわかりました。来年度に向けて、適切な教育課程を編成するよう通知の周知に努めているとのことですが、3月の文科省の通達では「授業時数の見直しなどの措置をできるだけ早い段階で講じること」となっているのですから。早急に実施することを要望しておきます。