11月15日、生きた学校図書館をめざす会川崎代表の小林 公子さん、宮前区小学校図書ボランティアの会企画委員一同 、 中原区・子どもと本を考える会の皆さんが、「川崎市の全小学校・中学校の学校図書館に、専任、専門、かつ常勤の学校司書を計画的に配置してほしい」と、教育委員会に要望しました。各会派から議員が1名づつ代表して立ち合い、私は日本共産党を代表して参加しました。参加された方々は、要望について切々と訴えていました。
学校司書配置については、私は9月議会で取り上げたところですが、今日の教育委員会の答弁は、まったく変わりのないものでした。(私の9月議会の質問と答弁は、10月7日ホームページに掲載してあります)
会の皆さんの要望書は以下の通りです。
要望書
「川崎市の全小学校・中学校の学校図書館に、専任、専門、かつ常勤の学校司書を計画的に配置すること」
日頃は教育行政にご尽力を賜りましてありがとうございます。
川崎市の教育委員会には、2015年度から学校司書の配置事業を開始頂き感謝いたします。しかし、5年目になりますが配置完了までの全体計画が見えません。また、学校司書には、専門性が問われず、勤務時間が短い、身分保障がされていないなどの課題があります。私たちは、学校司書の配置事業の見直しを求め以下の事を要望します。
記
① すべての小学校・中学校に学校司書の早期配置をお願いします。
2015年度から毎年7校ずつ小学校に学校司書の配置が行われていますが、いつまでに全校への配置が完了するかの計画を示してください。事業開始から5年目になりましたが未だ小学校で全校の約3分1の配置にとどまっています。配置の進み具合が遅すぎて配置校と未配置校の格差が生じています。せめてあと5年以内に中学校も含めた学校司書配置が完了するような計画にして下さい。
② 学校司書の勤務時間の見直しをお願いします。
現行の学校司書の勤務は、1回3時間、年間150回以内という短時間です。これでは学校図書館が担うべき大きな役割が実践できません。正規の教職員の勤務時間(年間240日ぐらい8時30分から5時までの勤務)と同等の1日7時間、年間200日以上の勤務時間を確保してください。
③ 学校司書は教育委員会の公募によって選んでください。
学校司書は、現在、校長推薦による採用で資格は問われていません。学校司書は、図書館の専門職です。専門の資格を有する人の公募を求めます。
④ 学校司書の身分保障をしてください。
現在、報償費で雇用されている学校司書を、専門的な知識経験を必要とする職員として川崎市非常勤職員に位置付けてください。
⑤ 教育次長と定期的に面談を行う事をお願いいたします。
教育行政を具体的に企画する教育次長との面談を定期的に行い、学校司書配置の事について話し合えることを希望します。
2020年から実施される学習指導要領には、「主体的、対話的で深い学び」が求められ、学校図書館の活用が今まで以上に謳われています。学校図書館は、幅広く豊かな読書により心の成長を促すだけではなく、調べ学習などを通じて児童生徒が自ら学ぶ姿勢を培い、より深い学びへと導きます。また、情報を収集・選択・活用する力を育てるなど児童生徒の成長を幅広く支えている場所でもあります。学校図書館活用は、学校教育において大きな役割を担っています。
学校図書館に常駐する専門職としての学校司書は、子どもの発達段階にあった資料や学習に必要な資料を収集、組織化し、いつでも利用できるようにします。さらに広報、展示、特設コーナーなどの読書環境を整え、読み聞かせ、ブックトーク、ストーリテリングなど子どもと本をつなぐ技術を磨くことで、児童、生徒の読書への興味・関心をひきだします。レファレンス、調べ学習のガイダンスや、授業内でのブックトークなどの授業支援も学校司書の仕事です。多忙な先生方を資料面から支えることは、先生方の働き方改革にもつながると考えられます。
川崎市において、専任・専門・常勤の学校司書を配置することが急務であり不可欠です。川崎市のすべての小学校、中学校に1校専任で、専門資格のある学校司書を公募にて配置し、働く時間も十分保障する(1日7時間、年間200日以上の勤務)よう要望します。
平成28年11月、文科省は「学校図書館の整備充実について(通知)」では、学校司書の配置については,職務が十分に果たせるよう,その充実に向けた取組とともに,学校司書の職務の内容が専門的知識及び技能を必要とするものであることから,継続的な勤務に基づく知識や経験の蓄積が求められることを踏まえ,一定の資質を備えた学校司書の配置やその支援を継続して行うことが重要であること。
2001年に公布された子どもの読書活動の推進に関する法律」の第二条では「基本理念」として“子ども(おおむね十八歳以下の者をいう。以下同じ。)の読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであることにかんがみ、すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない。”
第四条には、“地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、子どもの読書活動の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。”
とあります。様々な家庭環境にあるすべての子どもたちが、よりよく生きるために読む力を育むことができるよう、ぜひご尽力お願いします。
以上