議会活動報告

予算審査特別委員会で児童虐待対策について質問しました。

2021年3月11日

児童虐待対策について、こども未来局長に、伺います。

質問①

昨年1年間に児童虐待の疑いがあるとして、全国の警察が、児童相談所に通告した18歳未満の子どもは、前年比8・9%増の10万6960人にのぼり、統計を取り始めた2004年以降、初めて10万人を超えたといわれます。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅時間が伸びたことが増加の一因となっている可能性があるとのことです。本市でも同様に、2020年5月に公表された児童相談所、区役所における相談・通告も過去最多となっていました。この間の児童相談所の相談・通告の内容別、年齢別、について、伺います。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響について、伺います。

答弁

児童相談所の児童虐待相談ございますが、はじめに、昨年度の相談通告における虐待種別件数は、心理的虐待が2,141件と最も多く、次いで身体的虐待692件、ネグレクト515件、性的虐待20件となっております。次に、年齢別件数は、小学生が1,044件と最も多く、次いで0から3歳未満が820件、 3歳から就学前が776件、中学生が457件、高校生・その他が271件となっており、 0歳から就学前までの乳幼児が全体の半数以上を占めております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響についてでございますが、令和2年2月から4月までの期間につきましては、学校休業、乳幼児健診事業の延期、保育所の登園自粛などにより、児童虐待に気づきにくい状況となり、前年の同時期を下回りましたが、その後、再び増加傾向となり、令和2年4月から12月までの暫定値では、 2,930件で、前年度同時期の2,655件を上回っているところでございます。

質問②

国は2022年度までに児童福祉司を約2000人増やすことを決めました。これを受け本市は2020年度に5人の増員を行いました。今、2022年度目標32人に対し22人が不足しています。2021年度の増員計画と目標達成に向けての計画について、伺います。

答弁

児童相談所の職員数についての御質問でございますが、児童福祉司の配置計画につきましては、国は児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づき、児童福祉法に定めるところにより、令和4年度までに体制強化を図ることとしております。本市における必要人数を試算いたしますと、 27人程度の増員が必要になる見込みであり、令和2年度には5人増員し、令和3年度には14人と段階的な増員を予定しているところでございます。

質問③

2020年3月にお聞きした本市の児童福祉司の一人当たりの担当件数は52件でしたが、今はさらに増えて59件とのことです。児童福祉法では一人当たり40人となっています。担当件数からみて、児童福祉司の精神的、肉体的負担は相当なものではないでしょうか、横浜市では、国の方針を受け、2020年度に45人を新たに配置し、132人から177人の体制にしました。増員により虐待以外の案件も含めた一人当たりの担当件数は、平均40件から50件になるとのことです。本市は59件ということですから、児童福祉司の抜本的な増員が必要ではないでしょうか、見解と対策について、伺います。

答弁

児童福祉司の増員についての御質問でございますが、本市における児童虐待相談・通告件数の推移や虐待を取り巻く状況を踏まえますと、今後も件数の増加は、続くものと想定されるところでございまして、児童虐待への対応を適切に行うためには、児童福祉法に基づき、児童福祉司の増員を図っていく必要がございますので、関係局と協議し、基準を踏まえた職員配置を行ってまいりたいと芳えております。

質問④

各地の児童相談所で、勤務経験の浅い児童福祉司が増えているとききますが、本市の勤務年数の状況と対策について、伺います。

答弁

児童福祉司の勤務年数についての御質問でございますが、3年未満が51%、3年以上10年未満が36%、10年以上が13%となっているところでございます。経験年数3年未満の職員が半数を占めている状況にございますことから、人材育成の取組が重要であると考えておりますので、的確な児童虐待対応などが実施できるよう、 OJTをはじめ、必要な専門研修を実施するとともに、有用な外部研修等の機会を積極的に活用し、専門性の確保を図ってまいりたいと考えているところでございます。また、現在、児童相談所において人材育成検討委員会を設置するとともに、児童福祉司、児童心理司、児童指導員等が連携し、総合的な支援力の強化に向けた方策の検討を進めているところでございます。

質問⑤

2020年12月議会での質問で、虐待への対応が必要であるにもかかわらず、一時保護所が不足している実態を示し、一時保護所を緊急に確保すべきとの質問に対し「一時保護所の定員超過の改善に向け、入所児童の家庭復帰に向けた支援や施設等と連携した社会的養育の推進による、一時保護期間の短期化を図っている」との答弁でした。取り組みの現状と課題について、伺います。

答弁

一時保護についての御質問でございますが、定員超過の改善に向けた一時保護期間の短期化につきましては、一時保護の実施後に子どもや家庭などについて、調査、面接、観察等を的確に進め、家庭復帰に向けた保護者への支援を充実するとともに、フォスタリング機関と連携を図りながら、里親への支援体制の充実により、登録者数の増加を図り、里親への委託に繋げるなど、子どもが安心して生活できる環境確保に向けて取り組んでいるところでございます。また、新たな一時保護所の令和7年度の供用開始に向け、着実な整備を進めるとともに、既存の一時保護所につきましても、環境改善に努めているところでございます。

要望です

児童福祉司の勤務年数については「3年未満」の割合が半数を超えているとのことです。専門性の確保のため、研修を強化していくこと、また、総合的な支援の強化に向けた方策の検討を進めているとのことですが、60件近い担当件数を持ちながらの研修が、勤務年数の短い児童福祉司にとって負担となることのないように、また、3年未満の職員をフォローするために、中堅職員に大きな負担とならないような、十分な体制をとっていただくことを、要望しておきます。