令和3年第2回定例会一般質問が6月18日から、23日まで行われています。私は18日 ①有料老人ホームの施設整備について、②児童虐待について、③鶴川駅周辺のまちづくりによる地域への影響について、④緑地保全地区の「ナラ枯れ」被害対策について、⑤「資源物等の持ち去りへの対応方針」について、質問を行いました。
有料老人ホームの施設整備について、健康福祉局長に伺います。
施設整備が整っていたある有料老人ホームが、整備が整わないままの独身寮に昨年12月末にいきなり移転しました。この有料老人ホームへの市の対応についてです。
質問①
はじめに、移転前の手続きについてです。
移転する2~3日前に、その場所の一部分だけの内覧会と称する見学が行われましたが、全体の様子はわかりませんでした。施設改修はこれから行うとの説明がありましたが、入居前の改修は行われませんでした。その後は、コロナを口実に家族は施設を全く見ていません。移転をきっかけに退職する職員もあり、3対1の職員配置もままならない状況が続いていました。このようなバタバタの入居のため、本来は入居前に行われていなくてはならない入居者・ご家族との新たな契約がなされているのか、職員配置が基準通りなのか、市として、確認する必要があると思いますが、伺います。
◎答弁
移転に際しての契約等についての御質問でございますが、
はじめに、契約手続きについてでございますが、移転に伴う届出の内容を踏まえ、運営状況の確認を行うため、3月に事業者に来庁を求め、関係書類の確認を行ったところ、入居前に契約手続きを行っていることが確認できなかったため、改善するよう指導を行ったところでございます。
次に、職員配置についてでございますが、同様に関係書類の確認を行ったところ、条例で配置が求められている3対1の職員配置基準を満たしていたものの、利用者との契約で配置することとしている、 2対1の職員配置については確認ができなかったため、改善するよう指導を行ったところでございます。
質問②
入居前の契約手続きも、契約上の職員配置も守られていないことから、改善の指導を行っているとのことです。今回の施設の異動は、施設の不備から言ってもただの住所変更ということで済まされるものではありません。市は事前に現場を見ることも行っていないということです。届出がされたのはいつで、適切な届出が行われているのか、また、指導指針による適切な指導が行われなかった理由について、伺います。
◎答弁
有料老人ホームの届出等についての御質問でございますが、
届出につきましては、移転後10日以内に適切になされております。また、届出の内容を踏まえ、事業者の任意の協力による実地指導等の時期、方法等について、新型コロナウイルス感染症の流行状況等を勘案し、慎重に調整を行ったところですが、感染収東の兆しが見えないことなどから、事業者に来庁を求め、必要な指導を行ったところでございまして、実地指導等の実施についても事業者の協力が得られるよう、引き続き、調整を進めてまいります。
質問③
入居者は、7割が移動に介助が必要な方です。ですが、移転先は5階建てですがエレベーターは一基しかなく普通の車いすがようやく1台入るというものです。家族は避難経路についての心配もあるとのことです。
転居当時は、ハウスクリーニングも行われていない、床も空調も染みだらけ、木材の腐食もそのまま、各居室のドアを含め、あちこちのドアの段差もそのまま、トイレの改修もされていませんでした。介護用の浴室も設置されていなくて、6ヶ月が経過した今もいまだに入浴できる設備がなく、シャワーのみです。その他、配管の老朽化による水漏れや、2月13日夜の地震の後、配電盤の老朽化による不具合など、数え上げればきりのないひどい状況でした。
入居後2か月過ぎたころ、やっと居室の改修工事、各部屋の空調クリーニング、各階トイレの改修工事、スプクリンクラー設置工事、などが同時に行われました。複数の業者から大勢の人、多いときは20人の人が来て、出たり入ったりしていて、騒音や行動制限で、入居者の生活に大きな影響を及ぼしました。コロナの下、クラスターの心配もあります。早急に現状を確認する必要があるのではないでしょうか、伺います。
◎答弁
有料老人ホームへの現状確認についての御質問でございますが、
有料老人ホームの施設、設備に関しましては、法令、または法令に基づく条例等の基準に合致することが必要となりますが、それらにつきましては、定期または随時に指導権限を行使し、確認を行っているどころでございます。指導権限の行使につきましては、明確な基準違反が疑われる場合を除き、事業者の任意の協力による実地指導等において実施しております。御指摘の案件につきましては、事業者から提出のあった関係書類により確認を行ったところですが、設備の状況につきましては、現地確認を行う必要があるため、実地指導等の実施について、引き続き、事業者と調整を進めてまいります。
質問④
川崎市有料老人ホーム設置運営指導指針には、ストレッチャーが入るエレベーターでなくてはならないとしているはずです。入居者が転居した昨年12月22日から、6ヶ月近くが過ぎた今もなお、車いす1台しか入らない、ストレッチャーも入らないなど、入居者の移動に制限・問題を抱えたままの状態がそのままとなっています。車いす1台しか入れないエレベーターについては、問題はないのでしょうか、伺います。
◎答弁
エレベーターについての御質問でございますが、
川崎市有料老人ホーム設置運営指導指針において、エレベーターは、少なくとも1基はストレッチャーを収納できる構造とすることと定められております。このため、指針に適合していない場合には、入居者との契約にあたり重要事項説明書等により十分な説明を行っているかなど、必要な指導を行うものでございます。事業者から提出のあった関係書類により確認を行ったどころ、エレベーター等が指針に適合していないことについて、入居者等に対して説明を行っていることが確認できなかったため、速やかに、入居者等に対して説明を行うよう指導するとともに改善報告の提出を求めたところでございます。
(要望)
入居前に行うべき契約手続きがいまだに行われていない、適正な職員配置がされていない、エレベーターも半年たっても指針に合っていない、4月にやっとついたスプリンクラーも消防署から不具合を指摘されている。浴室もいまだ設置されていません。
このような事態について、市に対しては、入居前からこれまで何度も事細かな情報提供があったはずです。利用者は声を上げることができません。家族は現状を見せてもらえないのですから、そのときどき、市として踏み込んだ調査をすべきでした。今後、事業者から改善状況についての確認を行うとのことです。また、設備状況を確認するため、事業者と調整を進めていくとのことですが、すでに6ヶ月が経とうとしています。対応を急いでいただくよう、つよく要望しておきます。