9月26日健康福祉分科会において、生活保護費について質問しました。
質問①
生活保護の過去3年間を見ると支出額が減少してきていますが、なぜなのか。また、同じく予算より決算が少ないのは何故か、伺います。
◎答弁
生活保護扶助費についての御質問でございますが、直近3年間において、生活保護扶助費の支出済額は年々減少しておりますが、これは、新型コロナウイルスの流行以前から単身世帯が増加するとともに、生活保護受給者数が減少傾向にあることが主な要因と考えているところでございます。また、各年度の予算につきましては、予算編成時の直近の保護の動向を踏まえて計上したものでございまして、直近3年間におきましては、高齢化の進展を受け、介護扶助費は増加しましたが、被保護世帯数は、微減又は横ばいとなったことや単身世帯が増加したことから、生活扶助費等は減少しており、結果として支出済額が予算額を下回ったものでございます。
質問②
生活保護申請者数とそのうち認定された方の数、認定されなかった方の理由について伺います。
◎答弁
生活保護についての御質問でございますが、令和3年度の開始申請件数は3,583件、開始件数は3,108件でございまして、開始とならなかった理由といたしましては、資産、能力の活用等の保護の要件を満たした上で、最低生活費と収入に充てる額との対比によって、生活保護を必要とするか否かを判定した結果、最低生活費を上回る収入があり、保護を要しないこととなったためでございます。
質問③
次に扶養照会について、実施数と、そのうち金銭援助に結びついた数を伺います。
◎答弁
扶養照会についての御質問でございますが、令和3年度の開始申請に対して扶養照会を行った件数は3,323件、そのうち金銭援助に結び付いた件数は2件でございます。
質問④
扶養照会については、一律に親族への扶養照会をかけるやり方が、申請を断念させたり、利用しづらくなるなど、深刻な問題が指摘されてきました。他の自治体を見ると、東京の足立区は「扶養照会」はしませんと明らかにしています。文京区では21年度申請者数に対し扶養照会は42・1%ですが、金銭援助に繋がったケースはゼロ件です。本市でも21年度扶養照会を行ったのは3323件、そのうち金銭援助に繋がったケースは2件とのことです。親族による扶養を前提とする扶養照会は行うべきではありません。伺います。
◎答弁
扶養照会についての御質問でございますが、扶養照会につきましては、国の通知に基づき、扶養の可能性が期待される方に対して行っており、金銭援助に限らず、定期的な訪問や連絡など精神的な支援についても確認することで、保護を受給している方の日常生活や社会生活を支えていただくために一定の役割を果たしているものと考えております。相談段階における扶養義務者の状況の確認にあたりましては、生活保護のしおりを用いながら、同居していない親族に相談してからでないと申請できないということではないこと、 10年程度音信不通であり援助が期待できない扶養義務者がいる場合などは配慮するため、その事情を相談いただきたいことを面接相談員から丁寧に説明させていただいており、扶養義務の履行が保護の要件であると誤解されないように適切な窓口対応を行っているところでございます。
質問⑤
生活保護は憲法25条が明記した国民の生存権を守る「最後の砦」ともいうべきものです。「生活保護の申請は国民の権利」であることについて広く市民に周知させることが必要です。一昨年、我が会派の議員が、ホームページ以外のSNSやアゼリアビジョン等での発信の検討を要望していました。その後の取り組みについて、伺います。
札幌市は、周知について、生活の困っている方が申請をためらうことがないよう呼びかけるポスターを作成し、市内の区民センターなどに張り出しています。担当者は、「多くの市民が目にする場所へのポスター掲示は、ネットの方で情報が流れて、それを期に相談に来られる方もいる」とさらなる広報活動に努めると言います。本市でのポスター掲示についての見解と取り組みについて、伺います。
◎答弁
生活保護制度の周知についての御質問でございますが、本市におきましては、市ホームページにおいて、生活保護は憲法第25条に定める権利を実現するための国の制度のひとつであることを掲載し、また、生活に不安のある方に向けて早期の生活相談等を勧奨するほか、それぞれのぺージにアクセスしやすいように相互にりンクを張ることに加えて、 A1チャットボットやツイッターにおいても生活に不安のある方に向けて早期の生活相談等を勧奨することで情報発信に努めているところでございます。
また、平成31年に新たに手続きの流れを視覚的に分かりやすく表現したり一フレットを作成し、制度を必要としている方に広ぐ情報が届くよう、市ホームページに
掲載するほか、多くの市民の方が手に取っていただけるよう、各区の相談窓口に配置しているところでございます。
周知についてはいろいろ対応しているとのことですが、ポスターの掲示については、今後対応を進めていただくよう要望しておきます。
質問⑥
この間、生活保護費削減、生活扶助費カットはこの間のコロナ危機、異常な物価高などの下で生活苦は大変なものとなっています。生活保護者のエアコン設置状況と過去3年間の設置数について伺います。
◎答弁
生活保護受給世帯のエアコン設置についての御質問で
ございますが、保護開始時等に、冷房器具を保有しておらず、かつ、熱中症予防が必要な方がいる世帯に対しては、冷房器具購入費用について案内しているところでございますが、現時点におけるエアコン保有世帯数については把握しておりません。
なお、エアコン購入費用の支給が開始された平成30年には調査を行っており、 4月1日から8月29日までの間で冷房器具の支給対象となる世帯は、各福祉事務所への聞き取りの結果、約100世帯と見込まれ、同期間における保護開始世帯数の約1割でございます。また、直近3年間の冷暖房器具支給認定件数は、令和元年度123件、令和2年度116件、令和3年度116件でございます。
質問⑦
ケースワーカーについてこれまでの配置数と不足数について伺います。また、80人に一人配置するという基準との関係で、現在のケースワーカーの受け持ち世帯数について、伺います。不足しているケースワーカーについては、急ぎ配置が必要です。取り組みについて、伺います。
◎答弁
ケースワーカーの配置についての御質問でございますが、社会福祉法においては、被保護世帯80世帯につき現業員1名を配置することを標準として定められており、社会福祉法に基づき算定した令和4年4月時点の本市の現業員の標準数は290人、それに対しまして、現業員であるケースワーカー及び面接相談員の配置数は292名でありますが、面接相談員は世帯を受け持たないことからケースワーカーa人当たりの受け持ち世帯数は約83世帯でございます。本市におけるケースワーカーの配置につきましては、社会福祉法の規定を踏まえつつ、就労支援等、生活課題に応じた的確な支援を行うため、世帯類型の状況に即してケースワーカーを配置しているところでございまして、近年、個々の世帯が抱える生活課題も変化してきていることから、最低生活の保障と自立の助長を実現できるよう、引き続き、適切な配置に努めてまいります。